第139回「好きなこと(本)を好きなだけ!」

車、電車の絵本がスキ!

9月に入りました。8月は夏休みということもあり、たくさんの子どもたちがメルヘンハウスに遊びにきてくれました。子どもの本専門店として、やっぱり子どもたちが大勢いる店内は賑やかで良いですね。今月は「読書の秋」に向けて、静かに選書する大人の方々が目立ちます。

僕の息子は2歳2ヶ月です。ミニカーが好きで(特に工事車両)、よく「ブーブー!」言いながら、勢いよく床の上を走らせています。機関車トーマスも大好き!トーマスは連結できるので、たくさん繋げて走らせます。ジェームス、ヘンリー、パーシー、ヒロなど、機関車トーマスには色々な列車が登場するので、覚えるのが大変です。子どもの記憶力、理解力に毎回脱帽。「よくそんなに覚えられるなぁ」と感心するばかりです。

そんな息子ですから、読む本も電車や車の絵本が自然に多くなってきます。「これ読んで!」と持って来るのは、ほとんどが電車や車の絵本。最近、僕は朝6時に起きて散歩し、6時半ぐらいに帰って来ると息子が起きてきます。7時からの朝食の前のこの30分は絵本を読む時間なのですが、大概は5冊読みます。そのほとんどが電車や車の絵本。でも、とっても楽しい時間なのです。たまに長新太の絵本などを持って来ると、「ナイスセンス!」と息子を褒めます。朝から長新太の絵本を読んだことがありますか?あのビビットな色使いとナンセンスなお話は、一日の始まりをとっても明るくしてくれます。是非ともお試しあれ!

親としては色々な絵本を読んで欲しいのですが、、、

お店には、息子と同じような年齢の子どもたちがやってきます。特に男の子の話なのですが、やはり息子と同じような絵本を手にしています。つまりは、電車や車の絵本。そんなとき、その子どもたちの親御さんからよく受ける相談が、「電車や車の絵本しか読まないのですが、大丈夫でしょうか?親としては色々な絵本を読んで欲しいのですが、、、」と言うものです。そんな時の僕の回答は決まっています。

「興味のある絵本を存分に読ませてあげてください」

大人は絵本に期待をします。「この本を読んだら優しい心が芽生えるのでは?」、「これは数字を覚えられそう!」、「絵本でもっと言葉を知って欲しい」など、要するに絵本に見返り、つまりは費用対効果を求めてしまうのです。しかし、子どもはもちろん、そんなことはお構いなし。無理に今興味のある絵本を取り上げて、費用対効果のある絵本(本当はそんな絵本はありません)を与えても、本の楽しみを奪うだけです。それよりかは、興味のある絵本を存分に読ませてあげて「本を読む楽しみ」をしっかりと知ってもらう方がどれだけ良いことか。

毎週、観覧車に乗る

それは、本に限ったことではないと思っています。興味のあることを存分に与える、体験させてあげることが、子どもにとって一番良いことではないかというのが僕の考え方です。今、息子は観覧車が大好き!休みの日は大抵どこかの観覧車に乗りに行きます。今までそんなに観覧車に乗る機会はなかったので、大人の僕も新鮮で、「あそこの観覧車は冷房がついていたけど、ここのはシートも硬くて座りづらい」など、あーだこーだと評論するまでになりました。

そういえば、僕の小さい頃の夢は、地下鉄の運転手。しかし、今は書店員です。そう、電車や車の絵本ばかり読んでいるから、世の中の選択肢や視野が狭まることはないのです。もちろん、バランスも大切ですので、何でもかんでも好きなもので良いというわけではありませんが、出来るだけ子どもの今を尊重してあげることが大切かと思います。

しばらくは、車、電車、観覧車、この3つの柱でいきそうです。

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴41年、メルヘンハウス歴3年のかなり遅れてきたルーキー。

 

この記事が気に入ったら
是非 いいね! してください
メルヘンハウスの最新情報をお届けします
人気の記事
  • メルヘンハウスは2018年3月31日をもって閉店いたします。
    メルヘンハウスは2018年3月31日をもって閉店いたします。
    2018年3月31日、メルヘンハウスは45年と5日の長きにわたる書店活動を閉めることとなりました。 「一人でも多くの子どもに読書の喜びを」をスローガンに、国内初の子どもの本専門店として立ちあげま...
  • 2歳の絵本。絶対におすすめの10冊。
    2歳の絵本。絶対におすすめの10冊。
    photo by Leon Wilson 2歳になると、言葉や色々なものを覚えてきます。基本的な生活習慣が形成され、一人で色んなことが出来るようになってくる時期です。そんな時期だからこそ、絵本の...
  • 【読み聞かせ】低学年におすすめの絵本10冊
    【読み聞かせ】低学年におすすめの絵本10冊
    photo by MIKI Yoshihito 自分の子どもへの読み聞かせはもちろん、小学校のボランティアや町内の子ども会など、意外と機会があるのが、低学年の子どもへの読み聞かせです。 でも、...
  • 絵本の読み聞かせの本当の効果とコツ
    絵本の読み聞かせの本当の効果とコツ
    「絵本読んで!」 子どもにせがまれて、絵本を読んであげる。いわゆる読み聞かせですが、これもご両親の大事な仕事の1つですよね。ただ、喜んでくれるのは嬉しいけれど、忙しい毎日の中で、何度も同じ絵...
  • 泣ける絵本。大人も感動する絵本10冊
    泣ける絵本。大人も感動する絵本10冊
    あなたは、どんな時に感動したり、泣いたりしますか? 映画で思わず泣いてしまったという人は多いかもしれませんが、絵本でも泣ける内容の感動的なストーリーがたくさんあります。 この記事では、子どもだ...
こちらもいかがですか?
  • 名称未設定-1
    第140回「読書の秋は忙しい!」

    2歳4ヶ月の創作話が面白い! 11月に入りました。秋は「読書の秋」と言われていますが、お陰さまで大忙し!「大人の絵本遠足」は毎週入っていて、多い時には週3回も開催することもあります。また、講演会にお呼びいただくことも多く…

  • 『ともだち』
谷川俊太郎/文・和田誠/絵
(玉川大学出版部)
    第138回「かけがえのないもの」

    今日という日 今日は終戦記念日です。もう72年になるようですが、この日になると亡くなった祖母のことを思い出します。祖母が話してくれたのは、戦時中の苦しい生活や辛い出来事。毎年同じ話でしたが、小学生ぐらいからずっと聞いてい…

  • おしいれ
    第137回「読書感想文について」

    名古屋は連日の猛暑で帰る頃にはクタクタになっています。といっても、店内は冷房が効いているので、暑さのせいだけではないような気もします。「大人になると色々あるなぁ」とヒシヒシと感じる今年で42歳の男。子どもたちは「子ども」…

  • 『とべバッタ』
田島征三/作
偕成社
    第136回「栄養素の未来」

    「若さ」に触れると言うのは一つの栄養素 梅雨入りしてから、なんだか心も体がスライムのような気分です。「シャキッ!」とガリガリ君のようなシャープさがあれば良いのですが、そうもいきません。また梅雨が終われば、暑い夏がやってき…

  • 『しょうてんがいくん』
大串ゆうじ/作・絵
(偕成社)
    第135回「そこにあるのは、血の通った人間とのやり取り」

    3世代で来てくれる喜び メルヘンハウスは多くのお客様に愛されています。これはとても嬉しきことで、しかも45年目ともなると、何十年ぶりかにいらっしゃるお客様もたくさんいます。そう、子どもの為に絵本を探していたのが、今度は孫…

おすすめ情報

お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

イベントページでご確認ください。

サイト内検索