浦中こういちさん – 『バナナをもって』

浦中 こうちいち さん

浦中 こうちいち さん

バナナをもって、迷いながらさるくんの家を訪ねる男の子の話、『バナナをもって』は、ぼくの絵本デビュー作として、今年の夏クレヨンハウスより出版されました。絵本が出来上がるまで、本当に出るのだろうか?いや、これはウソかもしれない。なにかの間違いで「すみません。浦中さん、ちょっと今回の絵本出版は無理になりました。」と言う話がくるのではと思い、絵本が出版されるまでドキドキしていました。

 絵を描く事が好きだったぼくは、小さい頃から祖母がたくさん集めてとっておいてくれた、広告の裏にボールペンで夕食を待つ間、掘りごたつに座り絵を描いていた。その絵はヒーローと悪者が必ず出てきて、絵の中で戦っていく。絵を描いている間は、独り言を延々と言っていて、テレビなどには目もくれず、ひたすら描き続けていたそうです。

 そんなことをやっていたぼくが大きくなり、絵本を描きたい!と本気で思ったのが、保育士2年目の頃、子どもたちの前で絵本を読んでいたとき、ふと気がつくと子どもたちの目がキラキラと輝いていました。川に光があたってキラキラしてる感じだったなぁ。早速、絵本を描き始めました。今から考えると恐ろしいことですが、絵本の知識もないままのものを、出版社に持ちこみました。たまたま見てくれた編集者に「もっともっと描きなさい」と一言だけ言われました。「これではだめ!」ということです。「えっ!なにがだめなんだろう?これおもしろいのに」と訳の分からない自信があったものの、その言葉をいただいてから、描くことはずっと続けてきました。

 『バナナをもって』は、はじめ絵本ではありませんでした。紙皿シアターという紙皿を使った歌遊びだったのです。これが絵本にならないか?という動きが始まりました。編集者をはじめとして、いろんな人が加わり1冊の絵本を創っていくすごい作業が展開し始めました。それぞれの強い想いが伝わってくる時間が、繰り返されていきました。バナナをもった男の子はたくさんの人(動物)に出会いながら、どんどん前に進んでいきます。「ここかな ここかな さるくんのおうち」と、知らない家の扉を叩いてみるのはドキドキするけど、積極的に進んでいきます。

 ぼくが創った初めての絵本が、子どもたちの心の中にストンと落ちて、ぼくと同じように楽しんでくれることを願っています。

プロフィール
浦中 こういち(うらなか こういち)

イラストレーター、あそび作家。9年間勤めた保育園を退職後、地元三重県を拠点に、全国各地の保育園・幼稚園に出向き、あそびの実演、保育士さんたちの研修などを行う。

バナナをもって : 浦中 こういち
浦中 こういち / 作
クレヨンハウス

男の子がバナナをもってあそびに行きたいのは、友だちのサルくんのおうち。おうちのドアをノックすると……あれれ!?サルくんじゃない!サルくんのおうちはどこかしら?男の子と一緒にサルくんのおうちをさがしてね!

対象年齢 : 2才ぐらいから
1,000円 + 税 購入する
この記事が気に入ったら
是非 いいね! してください
メルヘンハウスの最新情報をお届けします
人気の記事
  • メルヘンハウスは2018年3月31日をもって閉店いたします。
    メルヘンハウスは2018年3月31日をもって閉店いたします。
    2018年3月31日、メルヘンハウスは45年と5日の長きにわたる書店活動を閉めることとなりました。 「一人でも多くの子どもに読書の喜びを」をスローガンに、国内初の子どもの本専門店として立ちあげま...
  • 2歳の絵本。絶対におすすめの10冊。
    2歳の絵本。絶対におすすめの10冊。
    photo by Leon Wilson 2歳になると、言葉や色々なものを覚えてきます。基本的な生活習慣が形成され、一人で色んなことが出来るようになってくる時期です。そんな時期だからこそ、絵本の...
  • 【読み聞かせ】低学年におすすめの絵本10冊
    【読み聞かせ】低学年におすすめの絵本10冊
    photo by MIKI Yoshihito 自分の子どもへの読み聞かせはもちろん、小学校のボランティアや町内の子ども会など、意外と機会があるのが、低学年の子どもへの読み聞かせです。 でも、...
  • 絵本の読み聞かせの本当の効果とコツ
    絵本の読み聞かせの本当の効果とコツ
    「絵本読んで!」 子どもにせがまれて、絵本を読んであげる。いわゆる読み聞かせですが、これもご両親の大事な仕事の1つですよね。ただ、喜んでくれるのは嬉しいけれど、忙しい毎日の中で、何度も同じ絵...
  • 泣ける絵本。大人も感動する絵本10冊
    泣ける絵本。大人も感動する絵本10冊
    あなたは、どんな時に感動したり、泣いたりしますか? 映画で思わず泣いてしまったという人は多いかもしれませんが、絵本でも泣ける内容の感動的なストーリーがたくさんあります。 この記事では、子どもだ...
こちらもいかがですか?
  • masudatakeda
    武田 美穂さん-『となりのせきの ますだくん』

    「世代を超えた共感」を作品に  「となりのせきのますだくんは、なぜロングセラーになったか?」今回そうお題を提示されて「ええー? ますだくんって、ロングセラーなんだ?」あらためて奥付をみると、初版が1991年11月。そっか…

  • ishiiminpan
    石井 聖岳さん-『みーんなパンダ』

    子どもから教えてもらったこと  家のすぐ横が公園なので、よく子どもたちの遊び声が聞こえてきます。窓からちょっと覗いてみると、「なにがそんなに面白いの?」そう思うことがあります。 どこから拾ってきたのか、みんなで石を持って…

  • eye_c
    スギヤマ カナヨ さん-『ぼくのまちをつくろう!』

     この本は構想から形になるまで3年かかりました。きっかけとなったのは東日本大震災です。震災から3ヶ月後、『漁師さんの森づくり』、『山に木を植えました』(共に講談社)でご一緒した畠山重篤さんを訪ねて気仙沼に行きました。映像…

  • yumepinn
    おくはら ゆめ さん-『しっぽがぴん』

     3年前に北海道を旅している途中、何かをくわえて歩いているキツネを見ました。キツネは一瞬こっちをふりむいてくれました。そのとき、私にはキツネが黄色くかがやいて見えたんです。それからキツネをいっぱい描きだしました(私には時…

  • 聞かせ屋。けいたろう さん
    聞かせ屋。けいたろうさん-『どうぶつしんちょうそくてい』

     最高に楽しかった! 初の絵本づくり  2006年10月14日、夜の路上で絵本の読み聞かせを始めてちょうど8年。まさか、自分が絵本をつくるとは、今でも驚きです。僕は今も時々保育園を手伝う、元保育士です。2013年1月、保…

おすすめ情報

お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

イベントページでご確認ください。

サイト内検索