子どもに学ぶ・本の読み方(187回)『おおかみだあ!』

おおかみだあ! : セドリック ラマディエ
セドリック ラマディエ / 作
ヴァンサン ブルジョ / 絵
谷川俊太郎 / 訳
ポプラ社

大変!おおかみだぁ!ページをめくるごとにどんどん近づいてくるおおかみ。書かれたアドバイスに従って本を傾けたり、振ったり、さかさまにしたり…。さあ、うまく逃げられるかな?読み手と絵本の世界が連動したスリル満点の参加型絵本。主人公はあなたです。

対象年齢 : 3才ぐらいから
1,100円 + 税 購入する

 
 「『おおかみだあ!』かしてください」と、みこちゃんが事務室にくる。「みこちゃん、これ好きなんだ?」って聞くと、「だって、おもしろいんだもん!」っていう返事。「じゃあ、私がもう一回、読もうか?」と言うと「いいんです。自分で見ますから」と、まだ3才のちょっとおしゃまなみこちゃんに断られてしまった。

 実はこの本は一度読んでもらうと、今度は自分でページをめくりたくなるしかけになっている。しかけといっても自分で絵本をかたむけたり、ふったり、ひっくりかえしたりする極めて能動的なしかけ。

 小学生の子どもたちでも「なに、これ?」とおもしろがって何度も見ている。ページをめくるたびにおおかみが近づいてくるところでは、子どもたちよりお母さんたちがびっくりしたリアクションをしてくれる。
読んでいる私がうれしくなって、絵本をひっくりかえして読むページで、うっかりめくる方向を間違えて、おおかみが枝にしがみついている場面を3度も読んでしまった。この本こんなに長かったのか?とちょっと変だなとは思いながら読んでいたのだけれど、聞いている人たちには私が演出で何度もページをひっくりかえしていると思ってもらえていたらしい……。

 「早く!ページをめくって追い払うんだ!」「急いで!本を右にかたむけて!」と、絵本を読んでいるのは自分なのに、自分以外の誰かが語りかけてくる感じでお話は進んでいく。最後におおかみがぐっと近づいてくるとちょっとドキッとするけれど、大丈夫「本を閉じるんだ!」って書いてあるので、そうすれば「ヒュー!おおかみはいなくなった!」という落ち。

 フランス生まれだというこの本はデザインがシンプルで内容もシンプル。詩人の谷川俊太郎さんの訳なのだけれど、とくに詩的な文章でもなく、ともかく遊び心がいっぱい!こういう絵本を子どもたちが楽しむのっていいなあと思う。ボードブック(どのページも角のとってある厚紙でできている本)なので、子どもが自分でページをめくったり、動かしたりして遊んでも大丈夫。

 みこちゃんは、すっかり覚えた内容を(文字を読んでいるのではない)妹の前で本をかたむけたり、ひっくりかえしたりしながら読んであげていた。

(保育士・M.Yさん)

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