第35回「おはなし会って楽しい!」

現在、おはなし会バブルなんです!

唐突ですが、おはなし会が楽しみです!好きです!メルヘンハウスでは、土曜日と日曜日の15時からおはなし会をおこなっています。僕は昨年の4月からメルヘンハウスで働いていますが、当初はおはなし会の時間になっても、親子が1組しかいないとか、天気によっては人っ子一人もいないなんてこともありました。しかし、昨年の秋あたりから徐々に人数が増え、今年に入ってからはおはなし会の時間に合わせてやってくる親子がとても多くて、とっても嬉しいのです!

みなさん、おはなし会と聞いてどんなイメージを持ちますか?絵本や童話など児童書に興味がある方であれば、なんとなくイメージが沸くと思います。あまり興味のない方はおはなし会という言葉からどんなことを想像するのであろう?たまにそんなことを考えます。

まだまだ父には敵いません。

まだまだ父には敵いません。

おはなし会ってなに?

もしも、僕が全く本などに興味がない人間だとしたら?おはなし会から思い浮かべるイメージは、みんなでひとつのテーマを議論したりする、言わば読書会みたいなものを思い浮かべるかもしれません。もしくは、絵本などでなく、ちょっと長い童話のようなお話を、語り手がず〜っと話しているラジオドラマのようなものか。つまりは、おはなし会=絵本を読んだりや紙芝居をやるよ〜!ってイメージはそんなに定着していないのでは?と思うことがあるのです。

当たり前は当たり前でないってこと

最近、僕の「当たり前」を見直していかなければならないのでは?とおはなし会に限らず、色々と考えるのです。

例えば、僕はメルヘンハウスに来てくれるお客さんのほとんどは、『はらぺこあおむし』(偕成社)を知っているものと思い接客します。あんなに有名で、メルヘンハウスに来る子どもたちのなかでも、店内の各所にいる「はらぺこあおむし」を指さして歌いだしたり、喜んだりする光景を何度も見ているので、みんな大好きで知らない筈がないと。

しかし、実は知らない人もいるんです。これは決して否定的でなく、知らない人の周りの環境や本との関わり方によって大いにあり得ることですし、メルヘンハウスにまだ1度も来たことがない人のなかでは、「知らない」ことが当たり前かも知れません。本に限らず、様々な業種で「当たり前」は存在すると思います。魚屋さん、服屋さん、珈琲屋さん、レコード屋さんなどなど、その全てに「当たり前」があり、その「当たり前」と世間とのズレは必ずあると思います。

恥ずかしながら、僕は花のことが全くわかりません。20年近く前の3月にオランダに一人旅をした際、お土産にオランダの名物チューリップの球根を買おうとしたところ、花屋さんにひとこと「オフシーズン!」と言われてしまいました(その前に球根が税関で通るか否か?ですが・・・)。花屋さんにとっては、「こんな時期にチューリップの球根なんてあるわけないじゃない。」なんて、花屋さんの「当たり前」で呆れていたかもしれません。このように考えると、『はらぺこあおむし』を知らないなんてのも、そんな子どもの本専門店の「当たり前」の観点から見た、とても狭い視野なのです。

子どもたちの反応こそがすべて

おはなし会は、そんな「当たり前」を覆す場でもあります。僕は絵本を読む際に、「この本はココが面白い!こんなメッセージがある!子どもたちはきっとここを喜ぶ筈!」と自分だけの思考や視点だけで読んでしまうことが多々あります。それが行き過ぎるとただの絵本評論みたいになってしまう。僕の仕事は絵本の評論家ではなく、子どもの本専門店の店員です。簡単にいえば、子どもたちが喜ぶ本を子どもたちに届けるのが仕事です。子どもたちが知らない絵本の面白さを伝えていくのも仕事です。

おはなし会では、勝手に自分が「こんな反応になるだろう」と考えていたことが、子どもたちの反応を見ると全く違ったりすることが沢山あります。そうやって、ひとつずつ自分の価値感を崩していくことが今の僕には大切だと思ってます。

とは言っても、おはなし会の主役は子どもたち。子どもたちが喜んでいる光景が一番好きです。子どもたちは本当に楽しい時は、前のめりで絵本や紙芝居に釘付けです。そして、笑い、喜び、その感情を体全身が表現してくれる。つまらない時は、どこか行ってしまったり、目の前で違う本を読み出したりもする(これはかなり辛い光景なんです)。

そんなストレートな反応に一喜一憂しながら、毎週末を楽しみにしている自分がいる、週始めの月曜の午前中なのです。

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴38年、メルヘンハウス歴0.5年のかなり遅れてきたルーキー。

 

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営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

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