広瀬克也さん – 『妖怪交通安全』

hirose

広瀬 克也 さん

 『妖怪横丁』から始まったこのシリーズも5作目になりました。今回は『妖怪交通安全』です。

 妖怪と交通安全をどのようにして結びつけようかと、ずっと考えました。ところが、これがなかなか難しい。いつの間にか「弥次さん喜多さん珍道中記」のようになってしまったりして「ちょっと違うなあ」と、考え直したり……。

 そこで、とにかく表紙から描いてみることにしたのです。いつもの工程では、表紙は一番最後に描くのですが、今回はまず表紙から始めました。すると、あのバンド(ザ・ビートルズ)の、あのジャケットが浮かび上がってきたではありませんか!自分でもオドロキ嬉しくなって夢中で仕上げました。

 こうなれば、もうシメタもの。「本文もこの感じ、この調子」と下描きをまとめていったら、あぶり出しのように、じんわりと形になってきたのです。

 そして、いよいよ本描きです。いつもの調子で「あれも入れよう、これも入れよう」と、どんどん要素を追加していきました。(森の入口の看板は、ラフでは普通の交通標識でしたが、あの曲名になったり…)

 今回は、シリーズの中で一番描きこみが多くなりました。一番細い筆でテンテンテンと、まるで印象派の画法のように描いています。夢中になって描いてから「お、これは点描だ~」と、自分でもちょっと笑ってしまいました。

 それから2ヶ月間ほど楽しく(苦しい?)机にしがみつく日々。だから、出来上がった時の嬉しさは、そりゃあ格別なものでした。気づいたら、登場する妖怪数もシリーズ中で一番多い83種類になっていました。みんなゾロゾロと、よく登場してきてくれました(笑)。

 この絵本は、男の子が出かけて行くところから始まります。さて、どのような交通安全なのか。妖怪たちのおかしな標語をみて、みんなが笑いながら「交通安全」を考えるきっかけになったら、とても嬉しいです。

さあ、みんな!交通安全で、いきまちょーちん!

プロフィール
広瀬 克也(ひろせ かつや)

1955年東京生まれ。長沢セツ・モードセミナー研究科卒。グラフィック・デザイナー、イラストレーター。初の絵本作品は『おとうさんびっくり』(絵本館)。他に月刊漫画「ガロ」に描いた漫画を絵本化した『さがしものはネコ』(架空社)、主婦の友あかちゃんえほんシリーズ『みつけたよ!』『まあだだよ!』(主婦の友社)、『ばけれんぼ』(PHP研究所)、『まよなかのほいくえん』(いとうみく/文 WAVE出版)、妖怪絵本シリーズ『妖怪横丁』『妖怪遊園地』『妖怪温泉』『妖怪食堂』(絵本館)など。

妖怪交通安全 : 広瀬 克也
広瀬克也 / 作
絵本館

大人気妖怪絵本シリーズ第5弾!
おまちかね!なんとテーマは「交通安全」。自転車で出かける男の子、すると行く手に妖怪たちがゾロゾロと……。「急なとびだし いったい だいじゃ!」(大蛇)。「確認は 一度じゃたりない なんどばば」(なんどばば)おかしな標語が次々とびだします。バカバカしいやら、おかしいやら、爆笑しながら、役に立つ!?

対象年齢 : 4才ぐらいから
1,200円 + 税 購入する
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お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
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