第43回「楽しいことを自由にたくさんしたい!」

今を生きている

人生は一回しかないので、出来るだけ楽しいことをしたいのです!

昔、前世が見えるという人に「前世は落ち武者だった。」と言われ、それから前世とか来世とかあまり気にせず、「今」を大切にするようにしています(落ち武者なら「前世は武士」でいい気もするんですが・・・)。なので、「今」を一生懸命生きている人にとても心を動かされます。先週末はそんな「今」を生きている人たちと濃密な時間を過ごしました。

「今」を生きている人たちとは、作家の加藤志異くんと竹内通雅さんです。3月5日より2人の絵本『ぐるぐるぐるぽん』(文溪堂)の原画展を2Fギャラリーで開催していますが、「3月7日は『ぐるぐるぐるぽん』」デー!と称してイベントをおこなったのです。名前の通り、ものすごいタイトスケジュールでやりたいことをやりたいだけ詰め込み、まさにてんやわんやの一日でした。

連発される自由という単語

イベント前夜に、名古屋に来られた2人。文溪堂のスタッフも入れて、隣駅のピカイチでの前夜祭から濃厚な時間がスタート。相変わらず何を食べても美味しい!どの店員さんも親切!と最高な場所。そんななかで、ワークショップとイベントの打ち合わせをしようとするのですが・・・。

通雅さんの口から出る言葉はとにかく「自由」という単語。「段ボールを切ったりして・・・その後はどうします?」なんて、いつものワークショップのように段取りを決めていこうとすると、「いやぁ、その辺りは子どもたちの自由でいいんじゃない?」と。トークショーの進行で「最初に絵本を描くキッカケを・・・その次に・・・」となると、「加藤くん良い頃合いの時に絵本を読んじゃえば」とこれまた自由。つまりは、事前に何も決めずにやろうよ!と。

過去に色々と段取りをしっかり決めてからやるワークショップ、トークショーなどのイベントに慣れてる僕や文溪堂のスタッフは少々不安になりながら、でも今までにない可能性も感じつつ、当日を迎えるのでありました。

当日の詳しいレポートは、イベントレポートにて後日するとして、ひとことでいうと、宣言通りの「自由」に溢れた一日でした。

ワークショップもトークショーも何の決めごともナシ!そのとき浮かんだ事を形にして、その時浮かんだ単語を言葉にする。そして、映画を観たい人は一緒に観に行く。全てがその時、「今」を共有するか否かということ。終わってみれば心配していたのがバカみたいな大成功!ものすごく痛快な一日でした。

レールに乗っかることに慣れている今は・・・

ひとつ印象的な出来事。ワークショップの最初に通雅さんが子どもたちに「自由に作って(創って)ね〜!」といった事に対して、子どもが「自由?本当に自由にやっていいの?」と。もちろん通雅さんは「自由でいいんだよ!」というと子どもは「ヤッター!」。

このやり取りが「今」の世の中の大人と子どもに関係を見事に表現しているなぁと。何気ないやり取りですが、子どもは普段から「ああしなさい」、「こうしなさい」とか、最初から既に用意されているものに慣れてしまっているのだと思います。そんななかで何の決まりもない「自由」に興奮したのでしょう。

僕もこのやり取りに、自分が事前に色々と決めごとを作ろうとしたことを反省しました。事前に段取りを決める事は大切です。しかし、その段取りにがんじがらめに縛られ予定調和に終わってしまうなんてもったいない。「今」を一生懸命生きるってことを再認識した時間でした。

なんでも安全、何事もなく平穏な日々を過ごすことが良いという風潮がある世の中で、「自由」をこれだけ感じることも珍しく、なんだか個人的にもスッキリした一日。そんななかで、トークショー前に加藤志異くんがもの凄い勢いで紙に何か書いていました。

読み聞かせのニュースタイル「原画読み」

読み聞かせのニュースタイル「原画読み」

僕は「作家はいつ何時も沸き上がる創作意欲を書き記しているんだ!」と興奮して、「何を書いているの?」と聞くと、「トークショーで何を言うか忘れないようにエピソードを書いているんです」と。通雅さんの「自由」が伝わっているのか否か?僕と同い年の作家加藤志異くんの行動がリアルな「今」であり、とても可笑しい一コマでした。

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴38年、メルヘンハウス歴0.5年のかなり遅れてきたルーキー。

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