子どもに学ぶ・本の読み方(190回)『にがいおくすりのめるかな』

にがいおくすりのめるかな : 深見 春夫
深見 春夫/ 作・絵
小山 博史/ 監修
岩崎書店

こぶたのプータはにがいお薬が苦手。病気で寝ていると、怪獣の子どもたちが甘い魔法の薬を飲ませてくれました。すると耳が…?

対象年齢 : 3才ぐらいから
1,300円 + 税 購入する

 
こぶたのプータが病気になって、苦いお薬を「のみたくない」と言うところからお話は始まる。

   お母さんが部屋から出て行ってしまうと、プータの部屋にかいじゅうの子どもたちが入ってくる。甘いお薬をくれて「のんだらみみをひっぱってポンポコピーっていって」って言う。お薬を飲んで耳を引っ張るプータと同じように、自分の耳を引っ張ったゆうくんは、ページをめくったらプータの耳がへんなつのになっているのを見て、あわてて耳から手を放す。「甘いお薬飲んでないから、ゆうくんの耳は大丈夫だよ」と言うと安心した顔に。
プータがいないいないばあをするとかいじゅうの顔になってしまうのだけれど、鼻の下にひげまで生えていて思わず笑ってしまうような顔。年長のたっちゃんは、甘い薬を飲むたびにかいじゅうになっていくプータを見て「きっと泣くな。ほら泣いた」とやっぱり真面目な顔をして解説。泣いているプータのまわりで「わーい わーい」と喜ぶかいじゅうたちを見て子どもたちはちょっと不安げな顔に。そこへ現れるのがソフトクリームのおじさん。このおじさんがまたいい感じ。
深見さんの絵には不思議な魅力がある。おじさんがくれるアイスクリームに混ぜたお薬を一生懸命食べたらみるみる元通りになるのだけれど、よく読むと一番はじめのページに「プータはびょうきになったのでおくすりをのみました」って書いてある。飲みたくないって言いながらちゃんと飲んだのだから、あそこで「飲みたくないのに、ちゃんと飲めたね」ってほめてあげたらお話は終わってプータも泣かなくてすんだんじゃないのかあ……。

 読み終わると子どもたちは「私、お薬飲める!」「僕だって飲める!」「苦くないよ!」「私なんてもっと飲める」と、なぜか自慢大会のようになっていた。最後のページには小児科の先生の解説があって「お薬を飲んだから良くなったね」と繰り返し伝えることと、ワクチン接種を積極的にしておくようにと書かれている。
わたしは自分の子どもが熱を出して病気と闘っているときに解熱剤や坐薬などは使わなかったし、予防接種も必要なもの以外は打ってこなかったのだけれど、薬や注射についての情報は様々なのでそれぞれの家庭でしっかり考えることができるといいなあと思う。苦手を克服するための絵本というよりは、子どもたちにとっては、ちょっとドキドキする楽しい絵本です!

(保育士・M.Yさん)

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