子どもに学ぶ・本の読み方(191回)『やまのぼり』

やまのぼり : さとう わきこ
さとう わきこ/ 作
福音館書店

春です!元気なばばばあちゃんは、森の仲間とちょっと変わった山登り。相変わらず楽しい楽しい絵本です。

対象年齢 : 3才ぐらいから
800円 + 税 購入する

 「天気もいいし、散歩にでも行こうか」って言うと子どもたちから、「さんせい さんせい だいさんせい」って声が返ってきた。どこかで聞いたフレーズだなあと思いながら「トイレに行って、1冊絵本を読んでから出かけよう」と言うと、子どもたちから「ばばばあちゃん!」ってリクエストがあったので、前日に読んだばかりの『やまのぼり』を読むことに。ページをめくって「いよいよ はるだねえ。てんきも いいし、やまのぼりでもするか」それを聞いて こいぬと こねこは 言った。「さんせい さんせい だいさんせい……」それを読んでアハハと笑ってしまったことがあった。

 やまのぼりに行こうとして、いろんなものを持ってくる動物たち。そんなに持って行けるわけないじゃないかと言いながらも、いい方法はないかと考えるばばばあちゃん。高いところにのぼるといえば屋根の上!私が中学1年生まで住んでいた、古い日本家屋は塀をよじのぼると、屋根の上に上がることができた。私は屋根の上が大好きで、親に見つからないように、よく屋根の上にのぼっていた。だからわかるのだけれど、そこでお弁当をひろげて楽しむなんて、ほんとはちょっと難しい。でも、それを素敵にやってしまうのがばばばあちゃん。

 カーテンを屋根の上でひろげる場面では子どもたちから思わず「わーっ!」って声があがる。ばばばあちゃんは誰かのおばあちゃんではなくて、まわりの自然を楽しみながら悠悠閑閑とそれでいて自由奔放に生きている。そんなばばばあちゃんから私も元気をもらう。ばばばあちゃんの本を読んでいるときの私はきっと楽しそうだろうと自分でも想像できる。

 作者のさとうわきこさんとは20年来のおともだち(実は明日も一緒に昼ごはんを食べる約束をしている)。出会ったころはまだ若くてばばばあちゃんのイメージは全くなかったのだけれど、最近ではいつも何かおもしろいことを考えているわきこさんとばばばあちゃんが、時々重なって見えるようになってきた。そして、そんな彼女は私の憧れでもある。

 最後にテントでおおいびきをかいて眠るばばばあちゃん。読み終わると年中のあやちゃんは「うちのおかあさんもいびきかくんだよ。うるさい。うるさい。」と小さな声でこっそり(?)教えてくれた。気持ちのいい春の日は、遠くまで行かないで、ちょっとした工夫で「さいこう さいこう きぶんは さいこう」って気分を味わおう!

           (保育士・M.Yさん)

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営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

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