スタッフの この本読んで!-意外な出合にわくわく!-

 最近3才になったばかりの姪。時々、本棚から絵本を一冊選び出してくると、私の方に向けておもむろに表紙をめくります。読み聞かせをしてくれようというのです。大人の真似をして、なんだかちょっと得意げです。まだあまり字が読めないのですが、ところどころ覚えているフレーズに、創作も加えて、フフフと笑いながらとても楽しそうに読みます。そんな姪が1才のころから大のお気に入りの絵本のひとつに『かんかんかん』があります。我が家に遊びに来た時用と自宅用に2冊常備するという、特別待遇の一冊です。

 踏み切りの警報機が「かんかんかん」と鳴るたびに、遮断機の向こうを列車が通り過ぎるという繰り返しなのですが、それがちょっと普通の列車ではないのです。最初に来るのは「んまんまれっしゃ」。ゆで卵、ピーマン、スパゲッティなどが、スプーンやフォークで飾られた客車に乗って「んまん ままん んまん ままん」というおいしそうな走行音を立てて通りすぎます。カラフルなニットの猫たちが乗る「にゃあにゃあれっしゃ」も、「にゃにゃん にゃにゃん」と楽しく走り去ります。そして最後にやって来る「ばいばいれっしゃ」では、傘や洋服で作られた大迫力のゾウ、カメ、ライオン、クマが、画面からはみ出しそうな勢いで「ばいば~い」と手を振ります。姪はこのページで本当に嬉しそうににこにこ笑って、動物たちに手を振り返します。

 正直に言うと、この本を初めて手に取った時、暗くて地味だな、という印象でした。麻布を真っ黒に塗った背景を、黄色と黒の縞模様の遮断機が一直線に横切る、とても可愛らしいとは言いがたい表紙。中は、身近な素材で手作りされたオブジェを撮影した写真なのですが、ちょっと不思議というか、怪しいというか……なんともいえない雰囲気が漂います。でも、大好きな電車と、生活の中で見慣れた物が組み合わさった、ユーモア溢れる作品だからでしょうか。子どもたちを惹きつける特別な引力を持っているようです。

 赤ちゃんの本から大人の本まで限らず言えることかもしれませんが、選ぶ時に、タイトルや表紙の雰囲気だけを見て素通りしてしまうのはもったいないなあと、つくづく思います。格好いいから男の子が好きそう、かわいらしいから女の子が好きそう、好みとは違うからこれは読まないだろう……実際にその通りの場合もあるかもしれません。でも、先入観で本との出合いのチャンスを逃してしまうのはとてももったいないと、良い意味で予想を裏切られる度に思うのです。そして、子どもたちが夢中で読むけれど、大人にはその良さが、うーん、正直いまいち分からない……そんな本も時々あるということを、私たち大人は頭の片隅に置いておかなければいけないなと思います。

 本を閉じた瞬間に「もういっかい!」とまた最初から読み始める姪の姿を見ながら、これからこの子にはどんな本との出合いが待っているのかなとわくわくし、本当に好きな本と巡り合って欲しいなと、叔母は陰ながら願っています。

(スタッフC・I)

かんかんかん : のむら さやか
のむら さやか/ 文
川本 幸/ 制作
塩田 正行/ 写真
福音館書店


ここは不思議な踏み切り。「かん かん かん」のリズミカルな音に導かれて、遮断機の向こうをいろいろな列車が通ります。食べもの列車、自動車の列車、それからそれから?

対象年齢 : 赤ちゃんから
700円 + 税 購入する
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