第69回「ボーダレスとは?」

近江八幡までGO!

雨がジトジト降ったり、どこかジメジメする日が多くなりましたね。そんななか、お休みの水曜日が奇跡的にも快晴だったので、少し足を伸ばして滋賀県の近江八幡にある、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAに行ってきました。

昨年、田島征三さんにアールブリュットの話を色々聞いて、そのなかでも何かと話題にあがっていたのが、NO-MAだったのです。ずっと行きたい!行きたい!と思っていながらも、なかなか行くことが出来なかった場所です。朝から張り切って出かけましたが、高速道路の工事などで渋滞に巻き込まれながらも、なんとかお昼前には到着。事前に色々下調べをしていましたが、既に外見が想像以上にステキ!

僕が訪れたときの企画展は、「鳥の目から世界を見る」と題して、鳥瞰図の世界を6人の作家さんが展示されていました。NO-MAの建物自体、昭和初期の町屋を和室や蔵などを改装した、なんとも風情のあるところなので、展示だけでなく建物自体が楽しめます。

そんなステキな空間のなか、どの展示作品も素晴らしい!の一言。ものすごい緻密な書き込みの作品、繊細ながらダイナミック作品、いつの時代がわからなくなるような時空を超えた作品、昔の観光案内図などなど、それぞれの個性がものすごく溢れています。よくいわれる言葉ではありますが、一日中でも居れそうでした。2Fは畳で、ちょっとしたライブラリーコーナーにはちゃぶ台もあり、窓から青空や木々の緑も見えて、作品だけでなく景色も含めて鑑賞するような場所。なんだか気持ちが安らぎます。

ボーダレスを考える

そして、NO-MAの素晴らしさは「ボーダレス」ということ。ホームページにも書かれているコンセプト「「障害者と健常者」をはじめ、様々なボーダー(境界)を超えていくという実践を試みています。」が見事に表現されています。障がいとは何か?そこの境界線は?どこから障がい?なんていくつもの?が浮かびます。僕らが障がいとして認識しているのは、大多数のなかの少数派を指すだけであり、これからの何千年、何億年先の人類で、その数が逆転したとすれば、健常と障がいの認識も変化すると思います。

そんなようなことを、ボーッと外の景色を見ながら考えていたら、近くの山のてっぺんに小屋?家?のようなものを発見。学芸員さんに訪ねてみると、なんと!ロープウェーがあるとのこと。ここまで来て行かない訳が見つからない!と鼻息荒く、情緒ある町並みを抜けて、いざロープウェー乗り場へ。そして、ロープウェーで山頂まで登れば、そこは絶景!近江八幡の町並みを堪能したり、逆側の琵琶湖を見下ろしたりと、思わぬ観光に感動!これもNO-MAのお陰です。

もっともっと町並みを見たい!近くの彦根城へ行きたい!など、今回出来なかった欲求もありながら、大満足で近江八幡を後にしたのでした。

そもそもラインはどこで引く?

帰りの車では、素晴らしい景観が脳裏に焼き付いたまま、やっぱりボーダレスとはなんだろう?いや、ボーダーラインってなんだろう?とずっと考えていました。僕のやっている仕事でいえば、「子どもと大人」のボーダーラインはどこだろう?小学生までは子ども?18歳まで?20歳まで?なんて、色んな年齢でラインをひくことが出来るけど、ラインを引いてしまうことで失うことってたくさんあるなぁと。

そんなことが頭のなかにプカプカ浮きながらのメルヘンハウス。本当はそんなラインなんて誰にも引けないし、便宜上のものにしか過ぎず、大切なのは子どもだろうが大人だろうが、人として接することなんじゃないかな?なんて思ったりしたのです。なので、やっぱり「こども扱いしないぞ!

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴39年、メルヘンハウス歴1年のかなり遅れてきたルーキー。

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営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

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