第73回「手作り アットホーム 工夫」

先々の不安に潰されるな!

蒸し暑い日が続きます。梅雨だから仕方ないのです。名古屋が盆地なので仕方ないのです。仕方ないと諦めて、そんな状況のなかでどう楽しむか?先々を思い不安にかられることも多々ありながらも、この時間、この日、この場所をいかに楽しめるか?と考えて行動したほうが面白い人生になるのでは?なんて思ったりもしています。そんなことを積み重ねていけば、自分が想像していた未来でなくとも、明るい日々があるような気がしています。

冒頭から突然まとめのような話となりましたが、色んな人に出会い、色んな場所に行き、そして今、色んな本に出合っていると、色んなことを前向きに考えることができます。人生のヒントは自分のなかだけで解決はせず、外に向かって飛び込んでいけばいくほど、たくさん転がっているものだと思うのです。

ボートだけじゃない蒲郡

先日、愛知県の蒲郡市に行ってきました。最近では森、道、市場が行なわれることで知名度がアップしてきていますが、僕のなかでは蒲郡といえばボート!そう、よくラジオから聞こえていたCM「蒲郡ボ〜ト!」というフレーズのイメージが大きいので、蒲郡=競艇となるわけです。今回は競艇ではなく、竹島水族館にいくことが目的でした。

竹島水族館、噂では聞いていましたが、かなりこじんまりとした水族館でした。最近の水族館や動物園は、ザ・アミューズメントパーク!という感じで、スケールも大きいことを売りにしているところが多数のなか、かなりのコンパクトサイズ。そして、昭和の香りがプンプンしています。

500円というかなりお値打ちな値段をさらに、割引チラシを利用して450円でなかへ。ちょうどアシカのショーが始まるところで、アシカショーの場所まで広い館内をダッシュ!と思いきや、館内を15秒ぐらいですり抜け、すぐに到着。これまたこじんまりしたステージで、アシカも何度も失敗しますが、観客もアットホームな雰囲気で見守りながらショーも終了。いざ館内へ!といっても、大きな水槽があるわけでもなく、「これって、ちょっとした熱帯魚マニアの家にありそうな水槽だなぁ」と思うような大きさのものがたくさんあります。

しかし、その水槽はただの魚の説明をしているのではなく、水槽の周りにはナント!スタッフが書いた説明?だじゃれ?が所狭しと貼ってあります。水槽の中の魚より、そちらの説明の方が気になって仕方ありません。

「知らない」ことが前提

より魚を身近に感じてもらおう!というスタッフの気持ちがヒシヒシと伝わってきます。ただのイナタイ水族館(失礼!)ではなく、愛される庶民の水族館を目指しているのか!と勝手に想像しましたが、とても感銘を受けました。魚を「知らない」ことを前提に説明をしてくれているのです。これって、僕たち書店にちょっと欠けている意識のような気がします。

メルヘンハウスには色んなお客さんが来てくれます。児童書にものすごく詳しい方もいれば、新米のパパやママも。中には、小さい頃に児童書にあまり触れることなく育った方もいるのです。しかし、僕はどこかで『いない いない ばあ』(童心社)や『はらぺこあおむし』(偕成社)ぐらいは知っているだろう、知っていて当然だろうと思いながら接客してしまう時もありました。しかし、実際には知らない方も多く、児童書界でのド定番、セオリーは所詮は児童書界のなかだけでしかないのです。

竹島水族館では、自分たちのセオリーをお客さんに押し付けるのではなく、知ってもらうために工夫することを学びました。みなさんにもぜひとも行ってほしい水族館です。やっぱり、何をするにしてもまずは出来ることから始めるっての大切。地道ながらもコツコツと想いを大事に大事に育てていかないといけないなぁと思うのです。

そんなこんなのメルヘンハウスの雨の平日の午前。3万冊の本を目の前に、この本たちと子どもたちの良い出合いをどうやって演出するやら?と考えながら眺めています。

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴39年、メルヘンハウス歴1年のかなり遅れてきたルーキー。

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営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

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