第79回「腕のみせどころ」

本を選ぶということ。

台風が来ているので、雨も激しく風も強いです。しかし、そんな悪天候のなか、お客さんがメルヘンハウスに来てくれるのでとても嬉しいです。今日も今まさにスタッフが11時からの「おはなしひろば」をやっています。こじんまりしたコミュニケーション、色々と話しながら本を数冊読み聞かせしています。

昨日のことです。夕方前に女性の親子がきました。今から知り合いの赤ちゃんに会いに行くのとのことで、手ぶらではいけないので絵本を数冊プレゼントしたいとのこと。僕はいつもプレゼントしたい先方の情報を聞きます。

「何歳?男の子?女の子?本はたくさん読んでる?どんな本が好き?」

情報があればあるほど、プレゼントする子どもが喜ぶポイントを的確に探ることが出来るからです。昨日は情報が曖昧で「今年?いつだったっけ産まれたのは?男?女?どっちだったかな?本は読んでるかなぁ?」と、あまり正確な情報ではありませんでした。しかし、これが当然でもあると思います。自らの子どもであれば、的確な情報を持っているのは当たり前。よそ様の子どもの情報まで把握していろ!という方が乱暴な話です。子どもの情報なんてわからなくて当たり前。そんな状態で要求に応えられるかが、僕たちメルヘンハウススタッフの腕のみせどころなわけです。

えっ、これが赤ちゃんの絵本?

話は戻り、お話をお伺いするとどうやら1歳に満たないぐらいの2人の子どもにプレゼントをしたいとこのことで性別は不明らしいです。さあ、張り切って案内するぞ!

あらゆる絵本を机の上に並べて説明します。今回のようなあまり情報がない場合は、出来るだけ定番を省いて紹介するようにしています。定番は既に持っている可能性が大きいからです。さて、机の上に10冊程度並べました。1冊ずつページをめくりながら説明をします。すると、赤ちゃん絵本なのに、プレゼントを選びに来ていた大人が「すご〜い!」、「ステキ!」、「この感性はどこから!」と感嘆の声が飛び交うのです。結局、迷いに迷って2冊ずつプレゼントに選ばれました。

子どもの本は侮れない!

こんなやり取りは、実は昨日だけではありません。赤ちゃんへのプレゼントなど探しに来られた方は、その絵本のクオリティに驚く方がとても多いのです。まだまだ世の中では、「絵本は子どもの楽しむもの」というイメージを持たれている方が多いのですが、メルヘンハウスに来てその考えがバラバラと崩れていく光景をよく見ます。

「子どもの本って侮れない!」

そんな感想を持つ方がほとんどです。この道42年の父は言います。「本の対象年齢は下はあっても上はない。」つまりは、赤ちゃん絵本は20代若者も80代のお年寄りも楽しめるものだと。

おそらく赤ちゃん絵本との出合い、もしくは再会というのは実店舗で手にとってみないとわからないものだと思います。僕が出来ることはその出合いのお手伝いです。赤ちゃん絵本を開き、楽しそうにしている大人を見るとなんだか嬉しくなります。その嬉しさをたくさん持ち帰って、色んな人に伝えてくれたら、もっともっと絵本が世に広がるのになぁ〜と思います。

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴39年、メルヘンハウス歴1年のかなり遅れてきたルーキー。

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営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

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