子どもに学ぶ・本の読み方(194回)『トペラトト』

『トペラトト』 おおたか しずる/作 田島 征三/絵 現代企画室

『トペラトト』
おおたか しずる/作
田島 征三/絵
現代企画室

「おもいでをたべるオバケのおはなし」と言っただけで、子どもたちはうれしそう。思い出を食べるおばけってどんなオバケだろうって思うみたい。このオバケはちっとも怖くなくて、みんなの“思い出”を食べるだけ。でも、オバケが思い出を食べるときの言葉がおもしろい。

そういう言葉を“オノマトペ”っていう。“オノマトペ”と言う言葉はフランス語らしく、擬音語。子どもたちは、そういう意味のない言葉の羅列が大好き。わたしも「ぱふっ」「ぺっちゃく ぺっちゃく」「とぺっちゃく」と読んでいると楽しくなる。小さい子どもたちは、ちょっと真似して言ってみる。この本はページをめくるごとに違う色と“トペラトト”の表情がなんともかわいい。最近、色がわかるようになったさやちゃんは「ぴんく!」「みどり!」「あか!」ページの色を声に出して教えてくれる。

擬音語のリズムと絵を楽しむ絵本はたくさんあるのだけれど、お母さんたちには何の意味があるのかわからなくて、なかなか手にとってもらえないらしい。でもこの本にはおじいちゃんやおばあちやんやいろんな人の“やけにはじけて”いて“なんかあふれている”思い出が描かれていて、大人も内容を一緒に楽しめるので、お母さんたちもじっくりぺーじを見てくれる。私は自分の思い出をここに描くとすると何かな・・?と学生時代の自分をしみじみと思い出してしまった。

赤ちゃんはまだ、思い出がない。2歳のマオちゃんに「おもいである?」って聞いたら、びっくりした顔して「ない ない」と持っていないと手を振ってこたえてくれたので、笑ってしまった。実はこの“トペラトト”は、新潟県十日町市の山間、すり鉢状の地形の「鉢」という集落にある「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館(子どもが少なくなって廃校になった小学校)」に棲んでいるらしい。食いしん坊のトペラトトは“思い出”が大好物。学校がにぎやかだったころは子どもたちの思い出を食べていたけれど、今は、訪れる人の思い出をこっそり食べているそうです。

地域に学校を残したい!という地域の人の思いがこうやって美術館として残っているなんて素敵。わたしは、いつかこの“トペラトト”に会いに美術館に行きたいなあと思っています!

(保育士・M.Yさん)

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