第85回「東京でのこと」

お盆休みはありません!

今週の前半は東京に行ってきました。月曜日の朝早くに名古屋から新幹線に乗り、水曜日の夜に東京から新幹線に乗って帰ってきましたが、いずれも混雑していました。世の中はお盆休みのようで、全くお盆休みなど縁のない者からすると「混んででいやだなぁ」と人混みのなか思う訳です。そう、今回の東京も仕事で行ったのです。

仕事といっても、合間を縫って本屋さんに出かけたりするのが楽しみです。メルヘンハウスに入る前は、1年間だけ児童書の出版社の営業をさせていただいていたため、顔なじみの本屋さんはいくつかあります。「◯◯さん元気かなぁ?」とか思いながらアポなし訪問。まあ、仕事ではないので、アポもいりませんが。

ライバルではなく、同志の店を巡礼する。

まず向かったのが東京を代表するオシャレゾーン、表参道にあるクレヨンハウスへ。クレヨンハウスをご存知の方は、「おっと!ライバル店へ偵察ですか?」なんて思われるかも知れませんが、メルヘンハウスとクレヨンハウスは言わば同志。四日市にあるメリーゴーランドもそうですが、みんなで子どもの本を広めてきた仲間なのです。僕が本当に小さい頃から可愛がってもらっているスタッフの方がいたり、お金のない高校時代のデートの時にクレヨンハウスへ行って、クレヨンハウスの美味しいレストランでご馳走になったりと、色々お世話になっているのです。

お互いの近況報告を半分、仕事の話を半分、これまたレストランでオーガニックコーラをご馳走になりながらの時間を過ごしました。もちろん、児童書売り場やオモチャコーナーもしっかり適地偵察!というのは冗談で、やっぱり他の書店にいくと刺激をもらいます。

出版社もいくつかまわり、空き時間には、これまたハイセンスゾーンな銀座にある教文館ナルニア国へ。ちょうど、はたこうしろうさんの『なつのいちにち』(偕成社)がやっていたので、「この猛暑のなかで原画をみたい!」と思ったのでした。メルヘンハウスでもギャラリーで原画展をたくさんやってますが(今はおくはらゆめさんのステキな原画展を開催中)、他の書店での原画展も何だかワクワクします。予想以上に『なつのいちにち』の原画が良くて、メルヘンハウスでも真夏にやりたいなぁなんて、思ったりしました。

そして、、、藤城清治さんの展示もあり、光と影の世界にウットリしたのか?猛暑のせいで頭がおかしくなったのか?フワフワ、クラクラしながら東京の街を彷徨ったのでした。

すてきな三にん(大勢)ぐみ

仕事を終えると、夜は友達との楽しい宴です。気心知れた仲間って本当に嬉しい!楽しい!仕事でもプライベートでも飲食をしながら、ざっくばらんに話を出来る、共有できるというのは素晴らしきことです。今こうやって、メルヘンハウスであーだこーだ、やんややんやとやっているのも、こんな人たちがいるからです。直接仕事で出会った人でも、高校からの腐れ縁も、どんな関係であろうが、僕の周りにはステキな人たちがいると思うと、それだけで辛いこと、苦しいことが楽しくなってしまいます。

それはもしかしたら「人」だけではないかもしれません。大切な「モノ」であっても、もっといえば「思い出」だって、そうなることがあります。児童書って「モノ」はそんな力を持っているんだと最近思います。児童書って「モノ」はそれだけでなく、「思い出」を必ず残してくれます。「誰に読んでもらった!」、「誰からプレゼントしてもらった!」というのが、その本の内容よりも鮮明に心に残るようです。メルヘンハウスにいるとそんなお父さん、お母さんの光景をよく見ます。自分の子どもの本選びの来た親が「この本懐かしい!よく読んでもらった!」、「お婆ちゃんがこの絵本をプレゼントしてくれた!」とか、そんな会話が多く飛び交っています。

「児童書」という「モノ」

僕ら子どもの本専門店は、そんな「思い出」をつくる「モノ」(児童書)を売っていると、なんだか真逆のようなことですが、そんな面もあるのでは?と思います。なので、出来るだけ多く良き「思い出」が人生のなかであるように、そのお手伝いの「モノ」(児童書)を置いているのだと。

人はずっと何か同じことをやていると本筋を見失うもの。結局、自分のやりたかったことってなんだろう?と、ふと立ち止まって考えたりすると、自分のエゴばかりが露呈したりして自己嫌悪に陥ることもありますが、その反面の純粋なところも炙り出されます。その純粋なところを大切に抽出し生きていきたい!と思うのです。

「モノ」(児童書)を売るという仕事は、僕にとってどんな意味を持つのか?何故、児童書なのか?良い本ってなんだろう?とても大切な仕事をしているなぁとも思うし、人からも「ステキな仕事ねぇ」なんて言われることは多々ありますが、まだまだ答えは見つかりません。

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴39年、メルヘンハウス歴1年のかなり遅れてきたルーキー。

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お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

イベントページでご確認ください。

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