第11回「ネコ、ネコ、ネコがいっぱい!」

ネコが好きな人なら、きっと大好きになるだろうなあと思う本が『ネコのミヌース』です。ちょっとしゃれていて、軽いタッチで、まるで映画を観ているような味わいの楽しいお話です。

主人公は恥ずかしがり屋の若い新聞記者。恥ずかしがり屋のため、人に話を聞く事ができず、記事は大好きなネコのことばかりで、クビになりそうな有様。ある時、犬に追いかけられ、木に登って降りられなくなった女の人を助けます。ミヌースと名乗った彼女は実はネコだったのですが、どういうわけか人間になってしまったというのです。確かに、しぐさはネコそのもの。まわりのネコたちと話もできます。そして、ミヌースを介してネコたちからもたらされたニュースのおかげで、記者はクビをまぬがれ、仕事を続けられるようになります。物語の始まりはなんともしゃれた感じなのですが、町で起こった不正にネコたちが力を合わせるという、正義感のあるストーリーとなっています。

『ネコのミヌース』 アニー・M・G・シュミット/作 カール・ホランダー/絵 西村由美/訳 徳間書店

『ネコのミヌース』
アニー・M・G・シュミット/作
カール・ホランダー/絵
西村由美/訳
徳間書店
(中学生から)

このお話を書いたのは、オランダの子どもの本の女王と称えられているアニー・M・G・シュミットです。オランダでは知らない人がいないと言われるほど有名な作家だそうです。息つく暇もないほどのスピード感あふれる物語も楽しいし、ドキドキするサスペンスも面白いし、どっぷりと感情移入できるような哀しいお話もいいし。

でも、『ネコのミヌース』のように、読んでいて、気持ちが和らぐ、幸せな気分になってくるお話は、実はそんなにたくさんあるものではないのかもしれません。こういった本と巡り合えたのも、とても幸せな事なのだと思う今日この頃です。

松永 みどり
大学時代に児童文学を学び、その頃からメルヘンハウスに通いつめる。今では勤続30年をこえる超ベテラン。長年に渡りブッククラブの選書を担当し、数多くの 子どもたちの心に響く本を選び抜いてきた。社内でも本選びに困ったスタッフから度々相談を持ちかけられるなど、信頼も厚い。プライベートでは2人の娘を持つ母親。野球とテニスが好きで、言わずもがな読書が大好き。

 

 

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