第91回「読み聞かせについて」

(だいたい)見てわかる目的。

涼しい時間が増えてきました。そして、暗くなるのも少しずつ早くなっているように感じます。前回、読書の秋について書きましたが、メルヘンハウスには本の楽しみを広げよう!共有しよう!という読み聞かせのボランティアの方や保護者の方、学校の先生などがよく来てくれます。特に読み聞かせを学校でやる保護者の方はいつも悩みに悩んでいる姿をよく見かけます。

メルヘンハウスに1年半ほどいると、どのようなことを目的にして店に来てくれたか大体わかります。自分の子どもに本を選びにきたのか?孫へのプレゼントか?出産祝いか?などなど目的は多様。前々回に書いたような幼稚園、保育園などのお遊戯会の原作探しもあります。そのなかで読み聞かせの方は、来店の目的が何であるのか?声をかけるまでわからないケースが多いかも知れません。

読み聞かせは悩む、そして楽しむ!

読み聞かせの方はとても熱心な方が多く、子どもたちに喜んでもらおう!何かメッセージを子どもたちに発したい!と思われているのが伝わってきます。特に学校での読み聞かせは授業が始まる前の10〜15分ぐらいとのことで、限られた時間のなかで何冊読めるのか?というのも、とても大事なことのようです。色々とお話をお伺いしながらおススメするのですが、お遊戯会の原作探し同様「この前読みました!」、「他の方の十八番です。」などなど、こちらもハードルが高い!あれもこれも本を出しているうちに、机のうえが20〜30冊となっていることも多々あります。じっくりひとつひとつ丁寧に中を見て、3〜5冊ほど買われていくのが定番です。

こうやって読み聞かせをやってくれている大人がいる環境って、とても良いなぁと思います。僕が小学生の頃はまだこのような学校に保護者がやってきて、読み聞かせに限らず何かやってくれたということはありませんでした。しかし、今の子どもたちは、こうやって読み聞かせをしてもらっている。羨ましい限りです。

読み聞かせをやっている人の共通点は、子どもを楽しませよう!というのは勿論のこと、「自分も楽しいからやっている!」という方も少なくありません。読み聞かせをやったことがなく、「当番でまわってきて仕方なくやらなければいけないんです・・・。」と憂鬱そうに本選びをされていた方も、次に来ると「とても楽しかった!」と人が変わったように本選びに夢中になっている人もいます。読み聞かせという体験が新たな楽しみに加わったようです。

着地点は子どもの手元です。

メルヘンハウスのような“子どもの本専門店”は、最終的な着地点として子どもの手元に本が届くことを目標としています。しかし、子どもは自分ひとりで本を手にすることはできません。そこには大人が必ずいるのです。大人が子どもたちにどうやって本を手渡していくか?その手法は様々ですが、読み聞かせはそのキッカケ作りとして、とても良い機会であると思います。メルヘンハウスの土日15時からのおはなし会平日11時からのおはなしひろばも、普段手に取らない本との偶然の出合いの場であると考えます。

読み聞かせは、10分前後の時間で終わってしまいますが、そこに行き着くまでの時間は本探しなどとても多くの時間が費やされています。よく父は「読み聞かせはテクニックではなくハート」と言いますが、それは読むのが上手い下手ではなく、そこにかける熱量なのかな?なんて思ったりします。今月はこんなイベントで読み聞かせをやるボランティアの学生さんたちが、メルヘンハウスのおはなし会で読み聞かせの勉強をしたい!と何回かに分けて来る予定です。「やってあげる」、「読んであげる」のではなく、ぜひとも「一緒に楽しむ」空間を感じ取ってほしいものです。

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴39年、メルヘンハウス歴1年のかなり遅れてきたルーキー。

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お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

イベントページでご確認ください。

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