戦争の絵本。夏休みに読むべき絵本10冊

ゆう

こんにちは。メルヘンハウスの三輪丈太郎です。

8月15日は、終戦の日(終戦記念日)です。
日本は、1945年の8月6日に広島に、8月9日には長崎に原爆が投下されました。その後、8月14日にポツダム宣言を受諾し、8月15日に玉音放送で国民に日本の降伏が公表されました。毎年8月には、平和記念式典や戦没者追悼式が行なわれており、戦争について振り返る大事な時期の1つになっています。

子どもたちが戦争について知り、考えることは非常に大切です。学校での勉強はもちろんですが、子どもに馴染み深い絵本で知ったり、考えたりすることも1つの方法かもしれません。

この記事では、そんな戦争のことを知る・考えるきっかけになればと、戦争に関する絵本を小学校の学年別に10冊ご紹介します。

1.『せんそうしない』(講談社)

せんそうしない谷川俊太郎さんの戦争の詩の絵本です。金魚や蝶やすずめなど、子どもたちの身近な生き物たちは戦争しないということを、シンプルかつストレートに、そして優しく問いかけます。描かれている絵もとっても瑞々しく、生きている喜びを感じさせてくれます。戦争に関する絵本にしては珍しく、全体的な色のトーンが白く鮮やかで、爽やかな夏の日を想像させてくれます。恐怖が先立ってしまう戦争の絵本が苦手な子どもたちでも、自然に手にとることができる絵本です。【小学低学年から】

2.『はらっぱ』(童心社)

はらっぱ
ひとつのはらっぱを戦前、戦時中、戦後と定点観測のように描かれた絵本です。ひとつの場所にフォーカスすることで、その移り変わりや時代背景もとっても分かり易く比較できるのが特徴です。細部まで精密に描かれている分だけ、時代によって異なる町の息吹が伝わってきます。お話の世界に入るのが苦手な子どもでも、時代ごとに比較することにより戦争を知ることができるます。また、戦争という側面ではなく、移り行く町の情景の変化を楽しめる絵本でもあります。【小学低学年から】

3.『オットー』(評論社)

オットー
テディベアが繋ぐ戦時中の友情と、戦後の感動の再会を描いた絵本です。場所はドイツ、テディベアの持ち主であるユダヤ人のデビットは強制収容所に送られてしまいます。デビットは、親友のオスカーに2人で名付けたテディベアのオットーを託します。その後、オスカーも空襲をうけオットーとは離れてしまいます。そして、時が経ち、場所も変わりテディベアのオットーは巡り巡ってアメリカの骨董品屋へ辿り着きます。そこに観光で訪れた年老いたオスカーが!戦火を潜り抜けたテディベアがもたらす、感動の再会。心温まるだけでなく、戦争の事実もしっかり伝えてくれる絵本です。【小学低学年から】

4.『へいわってすてきだね』(ブロンズ新社)

へいわってすてきだね
小学生の書いた「平和」の詩の絵本です。「これが本当に小学生が書いた詩?」と疑うほどの素晴らしい詩です。この詩を書いた安里有生くんは当時沖縄の与那国島に住む小学1年生。その詩に感銘を受けた人気絵本作家の長谷川義史さんが、与那国島の大自然を大らかに健やかに描いています。「戦争を知る」ことは、とても大切なことです。でも、戦争があった事実だけを知るのではなく、戦争のない平和な世の中を想像することもとっても大切。戦争があった過去と、戦争を起こしてはならないと誓う今と未来をしっかりと繋げてくれる絵本です。【小学低学年から】

5.『8月6日のこと』(河出書房新社)

8月6日のこと

広島の原爆投下を題材にした絵本です。瀬戸内海の小さな島から広島に兵隊として行っている兄のために、差し入れを持っていく女の子が主人公です。8月6日、瀬戸内海の海は穏やかでしたが、遠くの空がぴかっと光ったのを見ました。そして1週間後、いつもと同じように広島の兄のために差し入れを持っていった女の子の目の前に広がる広島は・・・。この絵本のお話は日本語だけでなく、英語でも文章が記載されています。日本に限らず、英語圏の方々にも読んでもらうことができる絵本です。【小学中学年から】

6.『なぜ戦争はよくないか』(偕成社)

なぜ戦争はよくないか

「戦争」が主人公の絵本です。この絵本では「戦争」があたかも人格があるような語り口でお話が進んでいきます。「戦争」が奪おうとしているものは何か?奪われるであろう命たちは「戦争」の存在を知っているのか?どんな状況の人にも「戦争」はやってくるが、そのほとんどが「戦争」の存在に気付いていない。戦争の怖さや恐ろしさを、その被害によって伝えようという絵本は数多くありますが、戦争が知らぬ間に身近なところまでやって来るという、「戦争」そのものの恐ろしさを描いた絵本です。【小学高学年から】

7.『さがしています』(童心社)

さがしてます

広島の原爆投下の際の遺品にスポットをあてた写真絵本です。時計、手袋、弁当箱、靴など、1945年8月6日8時15分でその全ての時が止まっています。そして、各々の探しものは?時計は「こんにちは」を、右の手袋は左の手袋を、弁当箱は「いただきます」を、靴は「いってきます」を待っています。時が止まってしまった「モノ」にスポットをあてることにより、「生」の意味が浮かび上がっています。巻末には各「モノ」の持ち主や説明が詳しく記載されており、「モノ」の背景をしっかりと掴むことができる絵本です。【小学高学年から】

8.『ヒロシマに原爆がおとされたとき』(ポプラ社)

ヒロシマに原爆がおとされたとき
広島の原爆を実際に体験した作者が書いた絵本です。この絵本のお話はすべて語り口調で、まるで近所のおばあさんに戦争体験のお話を聞いているようです。絵本1冊でひとつの話ではなく、絵1枚に対して語られるエピソード集です。巻末には実際の作者が語っているCDがついています。戦争を実際に体験された方々のお話が年々聞けなくなっている今、とても貴重な絵本です。【小学高学年から】

9.『六人の 男たち -なぜ 戦争を するのか?』(偕成社)

六人の男たち 
戦争が起こる仕組みを分かり易く説明した絵本です。6人の男たちは平和に働いて暮らすことの出来る土地を探しています。やっと見つけた理想の土地で畑や家を作りお金持ちとなっていきますが、泥棒が来ないか不安になり兵隊を雇います。しかし、泥棒はいっこうに来ません。そこで6人の男たちは兵隊たちを・・・。戦争が始まる根源の愚かさをとても巧く描いています。ユーモアともとれるイラストですが、内容はとっても恐ろしいもの。人間の醜い部分をあぶり出したような内容にぞっとしてしまう絵本です。子どもだけでなく、多くの大人にも読んでほしい絵本です。【小学高学年から】

10.『ぼくのこえがきこえますか?』(童心社)

ぼくのこえがきこえますか
戦死した魂が静かに怒りを語る絵本です。「国の為に戦え!」とみんなに励まされて僕は戦争に行った。母さんだけが泣いていた。こんなふうにお話は始まります。同じ人間に向かって銃を向けること。戦死して魂となって見る戦争の有様。誰のため?何のため?そんな率直な疑問が湧いてきます。田島征三さんの描く色や形が激しく、時に静かに悲しく読者に訴えかけます。「読む」というとより、戦争を「感じる」ことの出来る絵本です。【小学高学年から】

まとめ

戦争は、子どもだけでなく、大人も一緒になって考えるべき大事なテーマです。

大人のあなたも、ぜひ一度読んでみてください。子どものいる方も、子どもにただ薦めるだけでなく、あなた自身も同じ絵本を読み、親子で戦争について考える機会を設けてみてはいかがでしょう。

jotaro2三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴39年、メルヘンハウス歴1年のかなり遅れてきたルーキー。

この記事が気に入ったら
是非 いいね! してください
メルヘンハウスの最新情報をお届けします
人気の記事

Sorry. No data so far.

こちらもいかがですか?
  • こいのぼり
    こいのぼりの絵本。おすすめの絵本5冊

    こんにちは。メルヘンハウスの三輪丈太郎です。 「こいのぼり」のお話と言われて、すぐ思い浮かぶものってありますか?」「もちろん!」そう答えたあなた・・・ひょっとして、それって「こいのぼり」の歌じゃありませんか? こどもの日…

  • dc2bd51a7401d1e132bf254d27fbbd1f_s
    入園・入学おめでとう!おすすめの絵本10冊

    こんにちは!メルヘンハウスです。 子どもたちのなかには、卒園式や卒業式を終えて、新たな生活のはじまりの準備をしている子もいることでしょう。楽しみでワクワクしながらも、少し不安でドキドキしている子どもたちをメルへンハウスは…

  • 5c57951dd95616798b4b0b9b875f9fca_s
    5歳におすすめの絵本10冊

    こんにちは!メルヘンハウスの三輪丈太郎です。 絵本の楽しみを知った子どもたちは、5歳ぐらいになるとページや文字のボリュームが多い絵本でも、気にすることなく楽しむことができるようになります。そして、いずれは絵本から幼年童話…

  • 3818cdb4b49b27a5d7eb1a2c07951f75_s
    4歳におすすめの絵本10冊

    本の楽しみ方の幅が広がる4歳の子どもたちに、おすすめの絵本を10冊紹介します。

  • c715bb582a4cc4807884a2592b0c951e_s
    赤ちゃんと一緒に楽しむ絵本10冊

    こんにちは!メルヘンハウスの三輪丈太郎です。 メルヘンハウスには、「赤ちゃんと一緒に絵本を楽しみたい!」という新米ママやパパが多くいらっしゃいます。実は僕も新米パパの1人です。毎日、朝と夜に3冊ずつ絵本を読むのですが、本…

おすすめ情報

お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

イベントページでご確認ください。

サイト内検索