第25回「メルヘンツアー」

格安航空券の話からはじまった「メルヘンツアー」

ある時、サベナベルギー航空に勤める友人から、「格安の航空券が手に入るけどヨーロッパの旅に出かけないか」?との話がありました。団体旅行(20名以上)に仕立てなければなりませんが、旅行内容は自由に組み立てられるという良い話でした。

当時、グリム童話に関心を持っていましたので、「ドイツ・ウェーザー川沿い(メルヘン街道)の作品の舞台を見て回りたい」と思っていました。何とかツアーの成立にこぎつけたいと、関心のありそうな人にお話しました。その中に愛知県立大学教授で児童文学者の勝尾金弥さんがおみえでした。勝尾ゼミ(児童文学のゼミ)で話題になり、20名を募集するのにあまり時間はかかりませんでした。いよいよ念願の第1回メルヘンツアーのスタートです!

勝尾金弥さんの名解説に加え、自由自在に動けるバスのチャーターは、一般観光客のコース外を訪れたりして、作品の舞台を訪れることが出来ました。こうしてウェーザー川沿いに伝わるむかし話を堪能したり、グリム兄弟の仕事に思いをはせたりして楽しむことが出来ました。

ツアーの醍醐味は、本の舞台に立つことと作家に会う喜び!

第1回と書きましたが、ヨーロッパを中心にしたメルヘンツアーはその後10回続きました。作品の舞台を訪れ、作家に会い、図書館や研究所を見学したり、定まりのツアーでは決してできない贅沢な楽しみを経験しました。思い出すままに、そのいくつかを書き出してます。

『グリーン・ノウの子どもたち』 ルーシー・M・ボストン/作 ピーター・ボストン/絵 亀井俊介/訳 (評論社)

『グリーン・ノウの子どもたち』
ルーシー・M・ボストン/作
ピーター・ボストン/絵
亀井俊介/訳
(評論社)

『グリーンノウの子どもたち』(評論社)※ブックッククラブ小学6年生(Lコース)配本のルーシー・M・ボストンを12世紀に建てられたマナーハウス(ご自宅)に訪ね、親しくお話をしました。『大どろぼう ホッツェンプロッツ』(偕成社)※ブックッククラブ小学3年生(Iコース)配本のプロイスラーと『ハンニバルの象つかい』(岩波書店)を書いたハンス・バウマン、ドイツを代表する二人の作家にはミュンヘン国際青少年図書館で、『砦』(評論社)を書いたモリー・ハンターはご自宅でそれぞれお会いできました。障がい児の写真を撮り続けるスウェーデンの写真家T・ベリイマンともゆっくり話が出来ました。またピーターラビットの舞台ヒルトップを半日散策しました。アンデルセンの優しさに触れたくてオーデンセの生家を訪れてみたり、本当のハイジを感じたくて小さなマイエンフェルトの村に泊まったりもしました。

『大どろぼうホッツェンプロッツ』 プロイスラー/作 中村浩三/訳

『大どろぼうホッツェンプロッツ』
プロイスラー/作
中村浩三/訳

研究者勝尾金弥さんといっしょのメルヘンツアーは、子どもの本の深さと広さを十分感じさせてくれました。そして今も仕事の中に生きています。

代表 三輪哲

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