第125回「読書の秋と本の出合い方」

みなさんの秋はどんな秋?

10月に入り朝晩と冷え込んできました。今日は体育の日で3連休の最終日ですが、昨日、一昨日と天気があまり冴えずに運動会も中止が多かったようです。今日は晴れているので運動会は開催されているかな?

メルヘンハウスで3回目の秋を迎えました。1年目は今年も古本市が開催されるブックマークナゴヤの実行委員会企画のひとつとして、チリンとドロンのコンサートいわいとしおさんのワークショップを運営企画しました。昨年は岐阜県各務原市のマーケット日和のイベントの一環として、これまたチリンとドロンのコンサートと三浦太郎さんのトークショーを企画しました。そして、今年はまたもや10月22日(土)に三浦さんとのトークショーがあったり、11月3日(祝・木)に岐阜県各務原市のマーケット日和では、工藤ノリコさんのワークショップとトークショーを企画しています。これ以外にも愛知県の自然豊かな小学校に読み聞かせに行ったり、療育センターへ講演会へ行ったりします。

そう、秋はなんだかバタバタしているのです。メルヘンハウスに入るまではそんなにバタバタした記憶がないのですが、これが「読書の秋」なんでしょうか?そして、基本的にお呼びがかかればどこにでも行くので、結果的に忙しくなっているのかもしれません。

色んなところに色んな人と行って、色々な人に出会う。とても嬉しきことです。一度出会った縁で、その後も恒例のように毎年お付き合いがあったり、違う方面からお声をかけていただいたりと、どんどん新しい輪が広がっていくのが楽しい!そして、それがメルヘンハウスという場所に戻ってきて成熟していく。このサイクルが今の僕にとって相性が良さそうです。

差し出がましいことは重々承知のうえで…。

メルヘンハウスは誰が何と言おうと、“子どもの本の専門店”です。それは44年目の今でも変わらない、変えてはいけない基本理念です。しかし、子どもの本を取り巻く環境はもちろん40年前と今では大違いです。今はインターネットなど、どこでも情報を得ることが出来るし、一般書店の児童書コーナーの売り場面積も大きくなっているので、比較的子どもの本は簡単に手に入る時代だと思います。ただ、ひとつ考えなければいけないのは、簡単に手に入ったり、簡単に情報が得られることは果たして良いことなのだろうか?これは出版社でのお勉強も含め、児童書界4年目の僕が言うのは差し出がましいことは重々承知での話です。

これは児童書に関わらず、書籍全般に言えることだと思いますが、実際に手に取り、開いて、読んで、そして自分が必要としているものか否かを判断する時間を怠っていないだろうか?と思うのです。ましてや絵本は内容だけではなく、色、大きさ、形、紙質など様々な拘りがあります。やっぱり手に取ってみないとわからない。

普段出合えないであろう絵本との出合いのお手伝い。

先日お客さんから「つかぬ事を聞きますが、シングルマザーの絵本はありますか?インターネット探しても見つからなくて……。」と聞かれました。その方はひさしぶりのご来店でしたが、少し前までは男の子と一緒に頻繁に来てくれていました。「この子にまだ何も教えていないのです」と3歳になる男の子を見ました。シングルマザーと言っても色々なケースの方がいらっしゃるので、一概にこれが良い!とは言えないですし、正直なところ、どのような絵本を紹介したら良いか?すぐにはわかりませんでした。

そして、最終的にいきついたのは、『ぼくのかえりみち』(BL出版)。

『ぼくのかえりみち』 ひがし ちから/作 (BL出版)

『ぼくのかえりみち』
ひがし ちから/作
(BL出版)

この絵本を手にとったお客さんは「とても良い絵本に出合えた。」と喜んでくれましたが、この絵本はシングルマザーに特化した絵本ではありません。そのうえでこの絵本を何故気にいってくれたのか?お客さんと子どもにとって必要な絵本と感じたのだろうか?その真意はわかりません。しかし、ひとつだけ言えるのは、このお客さんが、実際に手に取り、開いて、読んで、そして自分が必要としているものか否かを判断する時間をじっくりと持ったこと。

午前中、このような日記を書いていたら、午後になって全く同じようなお問い合わせを別のお客さんよりいただきビックリしました。このお客さんにはまた違った絵本をおススメしましたが、それも喜んでいただけたと思います。

同じご要望でも人によって合う本は違うこと、それを実際の体験を通して実感するのでした。だから、人と人が介する書店(商店)は面白い!

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴40年、メルヘンハウス歴2年のかなり遅れてきたルーキー。

 

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営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

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