第127回「子どもの本の専門店の息子の宿命」

毎日ヘトヘトです。

11月に入り、忙しい毎日を過ごしています。「早くも師走か?」と思うぐらい忙しい。ただキャパシティが小さく、容量オーバーのまま過ごしているだけかもしれませんが、とにかく毎日が終わるとヘトヘトです。

しかし、ヘトヘトになりながらも我が家に帰ると、今月で1歳5ヶ月になる息子が走り回り、飛び回り、わめき……と元気にしているので、ここからもうひと頑張りです。いや、頑張りというよりかは、生きる力をもらっていると言う方が正しいかもしれません。

工藤ノリコさんと岐阜へ行く

月初に絵本作家でもあり、マンガもイラストも色々と勢力的に描いている作家の工藤ノリコさんと公私ともにパートナーの工藤利幸さんと、岐阜の各務原市で開催されたマーケット日和というイベントにお呼ばれして行ってきました。前日、岐阜の郷土料理を堪能しつつ(たくあんステーキ、五平餅など)、楽しき小さな宴。お二人とは本当に仲良くさせてもらっていて、話が早いので一緒にいて楽しいのはもちろんのこと、とても楽(こんなことを言うと失礼ですが……)。

イベント当日は、午前中にワークショップ、午後にスライドトークショーと、丸一日を図書館で過ごし、お二人は忙しいなかでのイベント参加であったため夕方にはすぐにお帰りになりましたが、なんとも楽しい時間を過ごすことができました。しかも、メルヘンハウスから持っていった工藤ノリコさんの本は全て売り切れる!という前代未聞な事件まで発生し、嬉しくも買えなかった(サインをもらえなかった)お客さまには申し訳もなく、空箱を積んだ車まで1人でドライブ。夕焼けがとっても綺麗でした。

子どもの成長の感動と切なさは正比例。

こんなこともしつつ、日に日に寒くなり少しばかり風邪気味のなか、先日のお休みは息子と夕方の散歩へ近所の神社へ。歩けるようにもなり、階段の登り降りも手を繋いでですが出来るようになり、その成長に感動しつつ、「いつまでこんな光景が続くのかなぁ」と、今から親離れの寂しさや反抗期の恐れ(自分の思春期を思い出しゾッとしながら)を感じ、なんだか切なくもなるのでした。

「アーアッ!」、「ブ〜」、「◯△※×∀…」とか何かを指差して発している言葉?に「そうだね。」「そうだよね。」「それはちがうんじゃない?」とか、僕なりに一生懸命解釈をして返します。たまに息子は「そうそう」という顔でうなずくこともありますが、ほとんどは「?」顔です。いつの日か来るであろう成立した会話も楽しみですが、今のこの「わからなさ」も愛おしい時間です。

よく、「こいつが二十歳になったら酒を酌み交わしたい」という台詞がありますが、お酒が全くダメな僕は、「こいつが炭酸の味を覚えたら、ウィルキンソンの辛口のジンジャーエールを一緒に飲みたい」と思っています。

『りんごがドスーン』 多田ヒロシ/作・文・絵 (文研出版)

『りんごがドスーン』
多田ヒロシ/作・文・絵
(文研出版)

今、息子は絵本を読むときに僕の膝の上に座ってくるようになりました。お気に入りはたくさんありますが、『りんごがドスーン』(文研出版)はそのなかでも大のお気に入りです。色々な生き物がりんごを食べるときの色々な音、そして、動物たちが並んでいく様が好きなようで、キリンやゾウなど大きな動物が登場すると、「ジョー!」と絵本を指差して、まるで父の名前を呼び捨てするかのように喜びます。

子どもの本の専門店の息子に生まれてしまった宿命、それはたくさんの絵本をモニター(試される)させられること。僕も父に多くの絵本を読んでもらった記憶がありますが、良きモニターであったか否か?は不明です。いずれにしろ、たくさんの絵本を読んでもらえる環境は悪い事ではないと思っています。

「読書」という習慣が、息子の人生のなかで少しでもウエイトを締めてくれれば、きっと心豊かな人生の肥やしにでもなることでしょう。書店員としてではなく、「親」として本と子どもの関係を大切に考えてしまう今日この頃です。

急に寒くなってきたので、体調を崩しながらこの日記を書いてます。皆さんも体にはお気をつけてくださいね。

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴40年、メルヘンハウス歴3年目のかなり遅れてきたルーキー。

 

この記事が気に入ったら
是非 いいね! してください
メルヘンハウスの最新情報をお届けします
人気の記事

Sorry. No data so far.

こちらもいかがですか?
  • 名称未設定-1
    第140回「読書の秋は忙しい!」

    2歳4ヶ月の創作話が面白い! 11月に入りました。秋は「読書の秋」と言われていますが、お陰さまで大忙し!「大人の絵本遠足」は毎週入っていて、多い時には週3回も開催することもあります。また、講演会にお呼びいただくことも多く…

  • 07-0310_01
    第139回「好きなこと(本)を好きなだけ!」

    車、電車の絵本がスキ! 9月に入りました。8月は夏休みということもあり、たくさんの子どもたちがメルヘンハウスに遊びにきてくれました。子どもの本専門店として、やっぱり子どもたちが大勢いる店内は賑やかで良いですね。今月は「読…

  • 『ともだち』
谷川俊太郎/文・和田誠/絵
(玉川大学出版部)
    第138回「かけがえのないもの」

    今日という日 今日は終戦記念日です。もう72年になるようですが、この日になると亡くなった祖母のことを思い出します。祖母が話してくれたのは、戦時中の苦しい生活や辛い出来事。毎年同じ話でしたが、小学生ぐらいからずっと聞いてい…

  • おしいれ
    第137回「読書感想文について」

    名古屋は連日の猛暑で帰る頃にはクタクタになっています。といっても、店内は冷房が効いているので、暑さのせいだけではないような気もします。「大人になると色々あるなぁ」とヒシヒシと感じる今年で42歳の男。子どもたちは「子ども」…

  • 『とべバッタ』
田島征三/作
偕成社
    第136回「栄養素の未来」

    「若さ」に触れると言うのは一つの栄養素 梅雨入りしてから、なんだか心も体がスライムのような気分です。「シャキッ!」とガリガリ君のようなシャープさがあれば良いのですが、そうもいきません。また梅雨が終われば、暑い夏がやってき…

おすすめ情報

お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

イベントページでご確認ください。

サイト内検索