第32回「メルヘンハウスは老舗か?」

老舗とは?

創業30年を過ぎた頃、ある経済新聞社から取材の申し込みがありました。「老舗(しにせ)を訪ねる」という趣旨らしい。「私たちは老舗ではありませんので取材対象にはなりません」とお断りしますと、「30年以上継続して営業していれば、りっぱな老舗ですよ」との返事。

広辞苑で「老舗」と引いてみると、「先祖代々の業を守り継ぎ、繁盛している店……」とありました。「先祖代々……、繁盛している……」、思わず笑ってしまいました。どちらにも相当しません。結局取材は受けましたが、30年でこんな取材の対象になるとは、時間のサイクルが速くなったものだと痛切に感じました。

代々の子どもたちから信頼を得なければならない。

老舗という言葉は別にしても、私たちの仕事は息長く続けなければならないといつも思っています。「繁盛とはいかなくてもいいから、代々の子どもたちから信頼を得て、常に喜んでもらえる子どもの本専門店でありたい」、広辞苑の定義とは少しニュアンスは違いますが、メルヘンハウスの行き先にいつもこんな想いを寄せています。

30年という時間は、親に連れられ子どもとして来店していた世代が、今度は親になり子どもといっしょに来てくれるに十分な長さです。いま店で飛び回っている子ども、毎月のブッククラブ配本を心待ちにしている子ども、そんな子どもたちが20年、30年後に親となって子どもといっしょに来店してくれて、喜んでもらえる子どもの本専門店でありたいと思っています。

石の上にも20年〜30年!?

開店当時、「石の上にも3年と言いますが、この仕事は最低でも20年~30年頑張らなければなりません。世代交代に要する時間ですよ」と、言われたある出版社社長の言葉がこの上なく適切によみがえってきました。

取材中こんな話をしていたら、記者は経済部記者から文化部記者の顔になっていました。

代表 三輪哲

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お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

イベントページでご確認ください。

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