第129回「ここは図書館ですか?」

驚くべき温度差

クリスマス前となり、お店の慌ただしさが一段と増してきました。平日、悪天候なども関係なく、お客さまが開店前からお店の前で待っていてくれたりしています。「もうクリスマスなんだよな、そしてお正月も近いんだな」と、毎日お店が一段落する閉店10分前ぐらいにしみじみと感じています。

メルヘンハウスにいると麻痺してしまう感覚なのですが、やはりこのお店は通常の一般書店と異なる点が多く、何度も足を運んで下さっている方ならおわかりのことも、初めて来るお客さまにとっては、驚きがいくつもあるようです。よく聞かれることとして、

「ここの本は買えるのですか?」

メルヘンハウスは書店なので「本を売る」商いなのですが、何故かこのような質問を多くいただきます。おそらく、整然と本が表紙が見えるように並べられ、本屋さん特有の良い意味での雑多感がなく、どこか図書館のイメージに近いのだと思いますが(図書館の司書さんで僕のような風貌な方はいらっしゃらないかと思いますが……)、毎回この質問には驚きます。その次に多いのが、本を色々と開き読み終わりレジまで持って来て、

「この本の新品をください」

と言われるお客さまも少なくありません。決して本が汚れているわけではありませんが、他の一般書店の児童書売り場では1冊は見本となっていて、他はシュリンク(ラップのようなもので巻かれて、中身が見れない)されていることに慣れていらっしゃるのか、中身が見れる本は全て「見本」だと思われている方もいらっしゃいます。そして、最後に多い質問は、

「子どもを連れて来てもいいですか?」あるいは、「子どもがうるさくしてすみません」

メルヘンハウスは“子どもの本専門店”ですから、子どもたちが来てくれることは大歓迎です!もちろん、子どもが走り回ったり、本を乱雑に扱うことについては、子どもと言えども注意はしますが、「子ども来店禁止」なんてことは絶対にありません。むしろ、もっと多くのこどもたちにやって来てほしいぐらいです。静かに粛々と絵本を読んでもらわなければいけないなんてことは、これっぽっちもありません。

こうやって、自分たちに取っては当たり前のこと、気付かないこともお客さまにとっては驚きや喜びであることであるようです。もっともっとお客さまに目を向けて、店作りや接客が出来れば良いなぁと思います。

子どもの本専門店の敷居は高い!?

先日、今年最後の講演会を758キッズステーションでさせていただきました。「赤ちゃんとはじめての絵本の出合いかた」と題してお話をさせていただいたのですが、その中でも本の選び方について、「赤ちゃんの本選びは色、形、リズムですよ!」なんてお話すると、「目から鱗!とても納得しました!」と仰る方もいました。そして、「子どもの本専門店と言うと敷居が高い書店だと思っていましたが、今度行ってみようと思います」という感想もいただきました。全く敷居を高くしているつもりがあるわけではありませんが、そのような思われている方もいらっしゃるのも事実。よく「絵本は高い」と言う声も耳にしますが、どこか絵本に触れることはインテリジェンスなことであり、庶民的なことではないイメージがあるのでしょうか?

 

もし、そのようなイメージがあるとすると、それは大間違い!絵本は全ての子どもたちに平等に存在し、どの子でも楽しめる可能性を持っています。大切なのは、大人が子どもたちにしっかりと手渡していけるか否か?に尽きます。

受講された方々はとても熱心な方が多く、メモを取られたり、会が終わってからもご質問をいただいたりと、とても良い時間を過ごさせていただきました。「今度行きます!」と言って、「先日はありがとうございました!」と3日も経たないうちにご来店いただいた方もいらっしゃいました。こうやってお店の外での課外活動で広がっていく輪というのは本当に嬉しいもので、これからも講演会をはじめ、積極的に課外活動に取り組んでいこうと考えております。

今年もお世話になりました!

今年も残り10日ほどとなりました。来年は2017年、メルヘンハウスの45年目がはじまります。これを節目としてお店のイメージ、そして、児童書に対するイメージをもっと身近なものとなるようにしていきたいと、色々と企んでおります。しかし、何をするにしても、

「子どもたちに良い本を!」

この基本理念を忘れる事なくやっていきたいと思います。少し早いですが、今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします!

おしまい

三輪丈太郎
1975年名古屋生まれ。生まれた時から子どもの本専門店の息子という肩書きが嫌で、ここ最近までは全く児童書に関わりのないフィールドに生息。ある日、大尊敬する人から「メルヘンハウスって良いと思う児童書をセレクトして置いているんでしょ?それって、良質なDJと一緒だね!」と言われたことがキッカケでメルヘンハウスに入社することを決意。メルヘンハウスの息子歴41年、メルヘンハウス歴3年のかなり遅れてきたルーキー。

 

 

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お店のご紹介 詳細

営業時間
午前10時~午後7時まで
定休日
毎週水曜日
住所
〒464-0850 名古屋市千種区今池2-3-14
JR・地下鉄東山線 千種駅徒歩5分
※駐車場は店の裏手に5台
詳しいアクセス
TEL
052-733-6481

選びぬかれた絵本や童話を常時30,000冊揃えて、みなさまのご来店をお待ちしております。

絵本の読み聞かせ、紙芝居など、楽しいイベントを定期的に開催しております。

イベントページでご確認ください。

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