ドクター・スース/作
わたなべしげお/訳
偕成社
1400円+税
(読み聞かせて5才ぐらいから)

なつかしい本に出あえるよろこび
 ドクター・スースの本が復刊されました。小さい頃からドクター・スースの本を読み親しんできた私にはとても嬉しいことです。不思議な世界や空想の世界、不思議な動物をたくさん描いたスースはアメリカでは知らない人はいないくらい大人気です。日本でも以前はたくさん出版されていましたが、スースの本を出していた出版社がなくなってしまいました。その後、いろいろな出版社から少しずつは出ていましたがほとんど見つけられませんでした。映画化に伴って、原作の『いじわるグリンチのクリスマス』や『キャットインザハット』などが出版されましたが、まとまっては出ず、今回5冊が偕成社から新装版として出版され、とても嬉しいです。
 そのうちのひとつ『ふしぎな500のぼうし』は空想世界や不思議な動物はでてきませんが、昔話のような雰囲気を持っていてとても読みやすく、そして不思議なお話です。主人公のバーソロミューは帽子をひとつだけ持っていました。それはお父さん、そのまたお父さんもかぶっていた、国で一番古い帽子です。 ある日バーソロミューが帽子をかぶって町へ出かけると王様が馬車で通るのに出会いました。王様はバーソロミューを見ると急いで馬車を止め「王の前では、帽子を取れ」と命じました。バーソロミューは「帽子はとっくに取っております」と手に持っている帽子をみせると、王様は「それではお前の頭に載っているのはなんだ?」と聞きました。バーソロミューは頭の上に何かあるような気がして手を伸ばしてみると、なんと 帽子が載っています。取っても取っても帽子が頭の上に載っていて護衛隊長やら帽子屋、国一番のものしり博士にも帽子が取れず、弓の名手に射らせたり、まほうつかいに呪文を唱えさせたりしましたが、それでも帽子が取れないのでついに首を切ることにしました。しかし首切り役人は規則では帽子を取らないと首を切れないということでバーソロミューは助かります。
 その間帽子は増え続け、450個を数えるとだんだん帽子の形が変わっていきます。帽子にささっている羽根の数が増えたり、小さい宝石がついたりし、500個目の帽子にはそれは大きい宝石がつき、とても豪華な帽子になります。500個目の帽子が気に入った王様は帽子を買い取り、バーソロミューはやっと頭から帽子を取ることができました。
スースの不思議なお話はとても魅力的でいつまでも飽きない楽しい世界です。       
(M・F) 


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